2015
09.10

第54回 「和ハーブ」    (一社)広島県建築士事務所協会 吉武綾子

(一社)広島県建築士事務所協会 吉武 綾子

 三つ葉、セリ、青じそ・・・。食欲が落ちがちなこの季節にさっぱりと食事をいただくことのできる救世主、薬味の存在は欠かせません。そうめんや冷奴へのトッピング、炒めものに潜ませても美味しいし、ジェノベーゼにしても◎。頼りになる縁の下の力持ち的な感じで、私は常に冷蔵庫にストックしています。そしてこれらの香りのいい“葉っぱ”が全部『和ハーブ』と呼ばれる植物に分類されるのを、皆さんはご存知ですか?

私が『和ハーブ』なるものに初めて触れる機会があったのは、1年と少し前くらいです。興味本位で行った講演会で初めて和ハーブと言う言葉を知り、へぇ~と思ったところで和ハーブ満載のお料理をいただき、これでお腹のほうが大満足(笑)。本来身近にある植物、という点も合わさって、すっかり魅了されてしまいました。

そしてその後、その場に居合わせた方々とで盛り上がり、和ハーブ検定まで受験したほどです。

ハーブと言うとすぐに思い浮かぶのは、ローズマリーやフェンネル、バジルなどだと思います。これらはヨーロッパで伝統的に料理や保存料、香料などに用いられてきた植物ですが、最近はスーパーやハーブティーのお店でもよく見かけることができ、生もドライも色がきれい。生活に取り入れやすいので、馴染み深いです。

一方、和ハーブとは、身土不二の概念のもとに江戸時代以前から日本に存在する植物と定義されていますが、広島の街中ではなかなか野生で生えているのを見かけることはありません。スーパーで見かけることが出来るのもフレッシュではわずかだし、ドライになればみんな茶緑色。派手さはまったくなく、『和ハーブ』だと意識しなければ見過ごしてしまいそうな普通の草です。

なので、鎌倉での和ハーブ散策に参加した時は、驚きの連続でした。国産タンポポと西洋タンポポの見分け方、野生の三つ葉にカキドオシ、ユキノシタ。地域が違うと自生している植物の種類も量もまったく違います。散策中は小学生の頃に公園で草花を摘んで遊んでいた記憶が蘇ったりしました。

むしろ、今よりもあの頃の方が無意識のうちに知識を得ていたかもしれません。

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巻きのある新芽の三つ葉は食べる価値あり!の貴重さだそうです

散策の後に『春の恵みを食べるとその1年は元気に過ごせる』という講師の方のお話を聞きながらみんなで調理実習をして食べたのは、

・タンポポのサラダ

・ユキノシタ、よもぎ、タンポポ、カキドオシ等々の天麩羅

・スギナ&野蒜味噌のおむすび

・蒸し鶏 和ハーブのジェノベーゼがけ

・和ハーブのラープ風炒め

・和ハーブのスープ

と盛り沢山で、どれも広島ではなかなか食べることの出来ない貴重さを味わってきました。やっぱりお腹が満たされると、私の満足度はかなり高くなります(笑)。

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調理実習で食べた品々

和ハーブを通じて知り合えた方々とのご縁は多地域に及びます。皆さんは身近で生のものを購入できたり、自分でも栽培しやすい住環境にいらっしゃったりして、羨ましい限りです。

広島でも日々の生活にもっと上手く取り入れることが出来るようになればいいのに。。。と思いますが、なかなかそうもいかないので、私はドライになっているものを購入し、お茶として飲んだり、ミルにかけて和ハーブソルトを作成したりして、毎日の食事にアクセントをつけて楽しんでいます。

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クロモジの葉とヤブニッケイの葉に岩塩を加えてミルで粉砕

昔から日本に存在する植物のチカラを借りて体調を整え、まずはこの夏の暑さを元気に乗り切りたいと思います。皆さんも和ハーブ生活、いかがですか?

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イブキジャコウソウ、ヤブニッケイ、クロモジで作った和ハーブソルトを使って鶏ハムを作成中

2015
09.10

第53回『剣道三段!』     美和ロック㈱ 畑 稔大

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美和ロック株式会社広島営業所 畑稔大

 『剣道三段!』これが私の唯一の自慢です。そして写真の「防具」が私のお気に入りです。この防具を見るとあの頃のことを思い出し辛いことがあっても前に進めるのです。

あの頃、夏場は、サウナ内でダウンジャケットを着て腹筋を、冬場は、スケートリンク上を裸足で走り回るような厳しい中で、稽古を積みました。

段を取得するには、一定の年数を継続しなければ、昇段することはできません。段という資格は、一生の肩書きとなりますが、厳しい稽古を耐え抜くことが何より大切なことでした。

私は、小学校、中学校、高校と剣道一筋に打ち込みました。何かスポーツをしなければという思いと、親の勧めが重なり、東広島の剣道クラブに所属しました。

道場に入ると、同年代の少年たちが、先生に立ち向かっている子もいれば、基本のすり足、素振りの仕方教わっている少年もいました。中には、同じ学校に通っている友人もおり、一生懸命、稽古に励む姿に、普段学校では見られない、意外な一面に、尊敬とかっこよさを感じたことを今でも昨日のことのように覚えています。私は、その光景を見て剣道の道に進みました。

しかし現実は想像以上に厳しく、いざ剣道を始めてみたものの、最初のころは毎日毎日がつらく、嫌々稽古に励んでいました。

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そんな私もなんとか剣道を続け、高校総体の試合が私を大きく成長させてくれました。それは個人戦での1回戦、出小手という私の得意技で突破、2回戦目もそれをやれば勝てるだろうと思っていた相手に、その出小手が、ことごとくかわされてしまい、まさかの胴一本を取られ、劣勢となりました。5分間の勝負、試合に集中している私にとって、あまりにも短く、こんなところで負けたくないと、我を失いパニック状態になりました。

絶対の自信のあった得意技、出小手は相手に効かない、どうすれば勝てるのか、瞬時に考えた結果、相手を反則に追い込み、一本を奪い、延長に持ち込む以外にないと判断。

剣道では、竹刀を落としたり、場外に足を出してしまうと反則を取られます。それが二回続くと、相手に一本を与えるというルールがあります。

私は、相手には申し訳ないと思いながらも、相手の竹刀をはたき落とし、一つ目の反則を奪いました。さらに、その後も場外付近に追い込み、力いっぱい相手を追い出しました。結果、一本を奪い取り、延長戦に持ち込みました。その後も20分間にも及ぶ熱戦となり、なんとか最後はあの得意技、出小手を繰り出し一本を取り勝利を収めることができました。

私は、剣道から、勝負事は、どんな手法を使ってでも、勝ちに行くという強い気持ちと、自分の強みは最後まで信じること。そして決められたルールの中で戦わなければならない。この体験で学んだことは、これからの人生の大きな財産となりました。

現在は、仕事に励む身ですが、つらい稽古に耐えてきたこと、武道で学んだことを自信とし、仕事に生かしていきたいと思っています。

将来、私に子どもが出来たら剣道を勧めます。剣道で学ぶ心技体の心得を、自分の子どもに教える日が待ち遠しいです。

数か月前まで二週間に一度程度ですが、日曜日に地元の中学校の体育館で日頃のストレス発散に剣道をやっていました。この「私のお気に入り」を書くにつれまた道場に行きたくなり汗を流しに行こうと思います。

この私のお気に入り「防具」を見ると困難で逃げ出したくなる時もまずは一歩前に進んでいけるのです。

2015
09.10

第52回「フライフィッシングとタイイング」 清水建設㈱ 石川慎一郎

清水建設㈱広島支店設計部  石 川 慎 一 郎

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建築の道を志したきっかけ:幼い頃父のスケッチを見てモノづくりが好きに
最近手がけた作品:南山大学名古屋キャンパスS棟
得意分野:意匠設計/教育施設
仕事をするにあたって心掛けていること(ポリシー):常に相手の立場になって考える
座右の銘:go with the flow
好きな建築家:三分一博
好きな建物:バルセロナパビリオン
好きな芸能人:安室奈美恵
好きな作家:特になし
好きな食べもの:餃子
趣味:釣り、キャンプ、子育て

私の趣味の一つにフライフィッシングとタイイングがあります。フライフィッシングとは、釣りの一種で虫などに見せかけた毛針を使用します。その毛針を作ることをタイイングと言います。祖父の代から受け継がれてきた趣味で、小学生の頃からよく父と釣りに出掛けていました。

東京に勤務していた頃は近くに釣り場も無く、子供も生まれたりでなかなか釣りに行けませんでしたが、4月から広島転勤になり少し行けばいい川があるようなので、また再開しました。

一言にフライフィッシングと言っても、狙う獲物や毛針の種類、釣る場所によって攻め方は様々です。私は写真にあるように渓流でアマゴやイワナを狙う場合が多いです。

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                   先日、父と行った岡山での釣りの様子(ボウズでした…)

渓流釣りはまさに自然との戦いです。フライフィッシングで重要なものの一つに自分が狙った場所へ正確に毛針を投げ入れる技術、キャスティングがあります。海や管理釣り場など広い場所なら自由に竿が振れるのでまだ楽ですが、渓流釣りの場合はそうはいきません。周りの木々の枝や岩、蜘蛛の巣など障害物ばかり、魚に食われた毛針の数より障害物にひっかかって無くなった毛針の方が断然多いです。キャスティングが下手なばっかりに自分でタイイングした毛針を魚でなく、枝に食われてしまう悔しさ。それをバネに自分の腕に磨きをかけるのもフライフィッシングの醍醐味の一つと思います。難しいポイントで障害物をくぐり抜けながら、自分が狙った場所へピンポイントにキャスティングできたときは、魚がヒットしなくても気持ちがいいものです。

次はタイイング。基本的には魚が食べる虫などに似せて、鳥の羽や糸を使って毛針を作る訳ですが、これも一言に毛針と言ってもその種類はいくつもあります。水面に浮かせるドライフライ、水中に入れるウェットフライなど、狙う獲物や場所、季節や時間によってどの毛針が一番釣れるかは誰もわかりません。実践あるのみです。私は最もポピュラーなドライフライを多用します。水面に浮かせた毛針を川の流れに任せて流していき、魚が来るのをじっと待ちます。水面まで魚が上がってきて、毛針に食いつく瞬間が溜まりません。

とにかくフライフィッシングは奥が深い。小学生からやっていますが、全く自分の思い通りにはいきません。前の晩から毛針を巻きながらシミュレーションを重ねて当日に挑みますが、毛針だけ何個も無くなって、ボウズで帰ることも多々あります。釣った魚は基本的にはキャッチ&リリースなので、食べるのを楽しむ訳でもない。それで楽しいの?とよく聞かれますが、やっぱり自分の作った毛針で魚を釣り上げるあの瞬間が忘れられない。

いつかは自分の創作フライで必勝パターンを編み出して、それを教えに息子と一緒に川へ行けるように、これからも研究を続けたいと思います。

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                                                       タイイングのツール(祖父と父からの貰い物)

2015
09.10

第51回「大橋家住宅」   ㈱エスティー・ワイズ 吉野康夫

                                                                                                                                                                                ㈱エスティ―・ワイズ  吉 野 康 夫

倉敷市にある「大橋家住宅」。

大橋家は、塩田・新田開発で財をなした大地主で、この住宅は1796年から1799年にかけて建築され、築200年を超える住宅。倉敷町屋の典型を示すものとして、国の重要文化財に指定されています。

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1階は倉敷格子、2階には倉敷窓を備え、長屋門を入った右手には「なまこ壁」の土蔵を有している。

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母屋は入母屋造りの本瓦葺き、屋根裏に部屋と厨子(屋根裏、天井裏の物置場)を設けた二階建てになっています。仕事がら古民家に接することが多く、趣味と実益を兼ねての住宅の探訪、既に五度の訪問。

1回の滞在時間は1~2時間、毎回新しい発見に出会う。「おおざしき」「書斎」「しんざしき」「だいどころ」と場所を変え、座してただぼんやりと時間を過ごす。まさに、「お気に入りの場所、お気に入りの時間」です。

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上の間(おおざしき)からの庭の眺め、書斎からの眺め、それぞれの場所で趣のある眺めを提供してくれる。

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過去において二度の大きな改造を得て現在に至っているとのことですが、部分的な補修は幾度となくおこなわれているのでしょう、柱などに改修の跡が伺われます。古民家改修に参考になる良い教材がいたる所にあります。きちんと手を加えていけば、木造建築の美しい姿を後世に伝えることができるのです。

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この大橋家住宅には、木造建築の繊細な表現、そして台所の重厚な小屋組みなど日本建築の伝統技法が随所に見受けられます。使用されている木材は地域産の松を主材料とし、化粧材にはケヤキや杉が使われています。土間の出入口部分は大八車が出入りしやすいように土台が取り外せる工夫もされています。

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耐震要素としては、土壁、小壁、足固め、長押、ほぞ貫などと思われますが、また足を運んでゆっくりとみていきたいと思います。

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大橋家住宅を訪れ、倉敷に宿泊する際に訪れる大橋家住宅の長屋門の一角にある居酒屋「鬼の厨 しんすけ」、美味い料理と地酒を嗜みながら「お気に入りの時間」を過ごすのも楽しみの一つです。

2015
04.28

私のお気に入り 第50回 スクーバダイビング 原夏子

株式会社松岡製作所 原夏子

【プロフィール】好きな作家・・遠藤周作 好きな料理・・パスタ、キッシュ、肉じゃが、ナシゴレン 好きな食材・・じゃがいも、アボカド、枝豆 趣味・・ダイビング、フットサル、旅行、食べ歩き

 顔写真

 ちょうど2年前の春、スクーバダイビングのライセンスを取得しました。

 その頃、これといった趣味もなく、好きな旅行に出掛けることも少なくなっていて、何か新しいこと、空いた時間に楽しめることはないかと考えていました。そこで思いついたのが、スクーバダイビングです。これなら、旅行とスポーツを楽しめて一石二鳥です。

 もともと川や海を見るとなぜかワクワクしてきて、よく泳ぎにも行っていました。そして何より、イルカと一緒に泳ぎたいという、昔からの夢もあります。ただ、まるで未体験の世界。やっている友達もいません。しかし「いつやるの?」「今でしょ!」という言葉に背中を押され、いざ、スクールに飛び込みました。

 学科講習と限定水域・海洋実習3日間で、問題が起きないようにするための安全テクニックと、問題が起きた時に備えた確実な対処テクニックを学ぶのですが、この実習が大変でした。海に抵抗がないと自負していたのですが、なんと、顔をつけることすらできないのです。よく考えると、泳ぎに行っていたのは15年も前のこと。それ以来、水の中はお風呂か温泉しか体験していません。まずは顔をつける練習だけで半日も費やしてしまいました。続いて、海中でマスクを外したり、スクーバキットを外したり、呼吸のコントロールで深度を保ったり・・・等々、48の困難(スキル)を乗り越えて、なんとかライセンスを取得しました。

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※3枚ともイメージ写真です。

忘れられないのは、島根県の太田で初めてのファンダイビング。これまでの瀬戸内海とは違い、波が高く、ボートからのイン。緊張してしまい、またまた海に入るのが怖くて仕方ありません。四苦八苦しながらもようやく辿り着いた水深25mの海底は、青い中にピンク色のサンゴ礁が広がり、とても綺麗でした。

やどかり水深25mハコふぐ

        ヤドカリ          ~水深25mへ潜行中~透明度15m   ミナミハコフグ

ナイトダイビングFUNFUNFUN

          ~ナイトダイビング~              Fun! Fun! Fun! ~大田ツアー~

海の魅力は、なんといっても、ゆったりとした時間の流れを感じることです。

自由気ままに泳ぐ魚たち。波の音。そして、呼吸のリズム。

 今年もまた、良いシーズンが近づいて来ました。自分のペースでゆっくりとですが、スキルを習得して、楽しみたいと思います。

青海島

         ~山口県 青海島~