私のお気に入り  「オペラを歌うこと」

                     株式会社大林組広島支店  竹田昌弘

 私のお気に入りは「オペラ」です。オペラと言っても観に行くわけではありません。実はオペラに出て、役を演じ、役になりきって歌うことがお気に入りというわけです。さらに言えば、オペラ歌手が私のもう一つの顔というわけです。

 もちろん私は音大出身ではありません。小学校の時などは音楽の授業は嫌で嫌で仕方ありませんでした。そんな私をオペラの道に引きずり込んだのは、音楽系の大学を出てオペラ歌手を目指していた奥さんの影響なのです。

奥さんは、結婚前から通っていた声楽のレッスンを結婚後も続けていたのですが、それを私がクルマで送り迎えするようになったことが歌を初めたきっかけなんです。ある日、「ついでだからあなたもレッスン受けてみたら?」と誘われ、いつの間にか私も声楽のレッスンを受ける羽目になり、それから2年後、先生の勧めでオペラ養成所のオーディションを受け、気づいたら合格してしまっていたというわけなんです 。

すでに35歳になっていましたが、仕事の傍らカルチャーセンターに通うような軽い気持ちでオペラ養成所に通い始めました。しかし養成所の始業式でびっくり。養成所のクラスは真剣にオペラデビューを目指す音大声楽科卒の20代のプロの卵ばかりではありませんか!

そして男性はなんと、私一人!でした。最初は「変なサラリーマンのおじさんが来たぁ・・」と皆に奇異な目で見られましたが、卒業までには次第にクラスメイトとして受け入れてくれるように。

ここでは演技の基礎をみっちり教え込まれました。オペラは愛憎、不倫、下剋上(まさに倍返し!の世界も)いろいろあって、なんかサラリーマン社会と似たところがあり、演技の練習にも熱が・・(笑)

 そしてオペラ養成所を卒業してすぐに受けた声楽のコンクールで、なんと優勝!もう39歳になっていたので、「いつ本格的にオペラの舞台のオーディション受けようか?」と奥さんに尋ねたら「今でしょ!」との答えが。

というわけで、初めて受けたオペラのオーディションでまたなんと主役を射止め、オペラデビュー!それ以来、いろいろなオペラで、幸運にもオペラの主役ばかりをいただくようになったというわけです。(ママのおかげ、ありがとー!)  

                                東京・日生劇場にて(真ん中が私)

 そんなこんなで奥さんはついに自分のオペラデビューの夢をあきらめ、そんな私をずっとサポートしてくれるようになりました。(と言っても、オペラの世界に引きずり込んだ張本人なのですからサポートしないわけにはいきませんよね!)

今では奥さんのサポートの下、毎年いろんな場所でオペラに出演させてもらっています。実は大阪でデビューしたこともあり、関西のオペラに出ることが多いのですが、名古屋で単身赴任していた間は名古屋でオーディションを受けて、名古屋のオペラハウスで主役をいただいたこともあります。

この4月から広島での単身赴任が始まり、今度は広島デビューをと、現在仕事の合間にオペラのオーディションを物色しているところです(笑)

                                      大阪・アルカイックホールにて

  えっ?でも設計の仕事はちゃんとやってるの?とお思いでしょう。もちろん一級建築士として、また会社員としてちゃんと仕事はしてますよ!特に設計ですから、あたりまえのように平日はほぼ毎日遅くまで残業が続きます。

また私の場合は単身赴任寮に住んでいるため、遅く帰る日は全く声を出す練習ができません。ですので声を出す練習は週末に大阪の自宅に帰る時だけなんです。あとは毎晩帰りの夜道を歩きながらブツブツ小声で歌ったりで、なんとか時間を捻出しています。(時には変質者に間違われ、女性に逃げられたことも・・・トホホ)

現在も、この11月10日に大阪でモーツァルトのオペラ「魔笛」(魔法の笛)の出演のため、平日の会社帰りの夜道は、変質者よろしく小声でブツブツ歩き、帰省の新幹線の中で楽譜と格闘し、週末は大阪で練習する日々を送っています。

今回もオペラ「魔笛」では王子タミーノという主役をさせていただけるということですごく張り切っています!私みたいな50過ぎのオッサンが王子様の役が出来るなんて、本当にオペラってなんてすばらしいんでしょう!

そして王子様が助けに行く相手役の王女様役はなんと、20代のかわい娘ちゃんなんですよ!(相手役が50過ぎのオッサンで、ああ可哀そう・・・ゴメンなさ~い)

あと、真面目な話、オペラの世界はほんとに奥が深いです。よく音楽、芝居、美術、バレエなどあらゆる芸術が一体となった総合芸術と言われますし、関わる人々の数も半端ではありません。

                   名古屋・アイプラザにて

ある意味、建築と似ていますが、建築とは違って、瞬間芸術ですから一瞬で消える儚さがあり、そんなところも私は好きなんです。                      

 最後に私の夢は自分の設計したホールでこけら落としで歌うことなんですが、死ぬまで無理かもしれません。でもあきらめずに挑戦していきたいと思っています。 そして歌い終わった後「チョー気持ちいい~!」なんて言ってみたいなー(笑) 



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