IMG_0698

美和ロック株式会社広島営業所 畑稔大

 『剣道三段!』これが私の唯一の自慢です。そして写真の「防具」が私のお気に入りです。この防具を見るとあの頃のことを思い出し辛いことがあっても前に進めるのです。

あの頃、夏場は、サウナ内でダウンジャケットを着て腹筋を、冬場は、スケートリンク上を裸足で走り回るような厳しい中で、稽古を積みました。

段を取得するには、一定の年数を継続しなければ、昇段することはできません。段という資格は、一生の肩書きとなりますが、厳しい稽古を耐え抜くことが何より大切なことでした。

私は、小学校、中学校、高校と剣道一筋に打ち込みました。何かスポーツをしなければという思いと、親の勧めが重なり、東広島の剣道クラブに所属しました。

道場に入ると、同年代の少年たちが、先生に立ち向かっている子もいれば、基本のすり足、素振りの仕方教わっている少年もいました。中には、同じ学校に通っている友人もおり、一生懸命、稽古に励む姿に、普段学校では見られない、意外な一面に、尊敬とかっこよさを感じたことを今でも昨日のことのように覚えています。私は、その光景を見て剣道の道に進みました。

しかし現実は想像以上に厳しく、いざ剣道を始めてみたものの、最初のころは毎日毎日がつらく、嫌々稽古に励んでいました。

53-1

そんな私もなんとか剣道を続け、高校総体の試合が私を大きく成長させてくれました。それは個人戦での1回戦、出小手という私の得意技で突破、2回戦目もそれをやれば勝てるだろうと思っていた相手に、その出小手が、ことごとくかわされてしまい、まさかの胴一本を取られ、劣勢となりました。5分間の勝負、試合に集中している私にとって、あまりにも短く、こんなところで負けたくないと、我を失いパニック状態になりました。

絶対の自信のあった得意技、出小手は相手に効かない、どうすれば勝てるのか、瞬時に考えた結果、相手を反則に追い込み、一本を奪い、延長に持ち込む以外にないと判断。

剣道では、竹刀を落としたり、場外に足を出してしまうと反則を取られます。それが二回続くと、相手に一本を与えるというルールがあります。

私は、相手には申し訳ないと思いながらも、相手の竹刀をはたき落とし、一つ目の反則を奪いました。さらに、その後も場外付近に追い込み、力いっぱい相手を追い出しました。結果、一本を奪い取り、延長戦に持ち込みました。その後も20分間にも及ぶ熱戦となり、なんとか最後はあの得意技、出小手を繰り出し一本を取り勝利を収めることができました。

私は、剣道から、勝負事は、どんな手法を使ってでも、勝ちに行くという強い気持ちと、自分の強みは最後まで信じること。そして決められたルールの中で戦わなければならない。この体験で学んだことは、これからの人生の大きな財産となりました。

現在は、仕事に励む身ですが、つらい稽古に耐えてきたこと、武道で学んだことを自信とし、仕事に生かしていきたいと思っています。

将来、私に子どもが出来たら剣道を勧めます。剣道で学ぶ心技体の心得を、自分の子どもに教える日が待ち遠しいです。

数か月前まで二週間に一度程度ですが、日曜日に地元の中学校の体育館で日頃のストレス発散に剣道をやっていました。この「私のお気に入り」を書くにつれまた道場に行きたくなり汗を流しに行こうと思います。

この私のお気に入り「防具」を見ると困難で逃げ出したくなる時もまずは一歩前に進んでいけるのです。