今までご紹介されている数々の「私のお気に入り」に比べて、広く浅くを信条に過ごしてきた身には「私の一押しです」などと言い切れるものはなかなかございませんが、ここ数年取り上げられることの多くなってきたイベントを私のお気に入りとしてご紹介したいと思います。

きっかけは単身赴任をしていた時期に行った越後妻有の「大地の芸術祭」です。

元来ぶらりと出かけることはそんなに億劫ではないので、「大地の芸術祭」については何の下調べもせず冷やかし程度に日帰りでいくつかの建物を見学に行くつもりで出かけました。しかしながらこれが間違いで切符の手配もなかなか難しく、向かう電車の中は芸術祭を目指す方々で溢れかえっており、その気合には圧倒されてしまいました。

あとで知ったことですが、「大地の芸術祭」はトリエンナーレとして2000年ころから開催されており、行ってみるとエリアはいくつも分かれ、かなりの広範囲にわたり作品が設置されていました。これらを半日で観て回るのは至難の業であるとすぐに悟り、とりあえず近場と見てみたい建物に焦点をあてることにしました。バスに揺られている間に見る風景も、広島育ちの私には十分刺激的で、まるで空気の色も違うように感じてしまいます。そういう風景の中にあちこちになんやら得体の知れない作品を垣間見ることができ眺めているだけでもとても楽しい時間を過ごすことができました。ボランティアの方々や地元の方々の案内も親切で町全体で芸術祭を盛り上げていく感じもとても素敵でした。

あっという間に時間は過ぎて後ろ髪を引かれる思いで越後妻有を後にしました。次回は是非ゆっくりと見て廻りたいと思っておりましたが会期も終了し再訪問はお預けとなりました。

【大地の芸術祭】

 

     突如現れる森にそびえる塔              田圃が会場に

その後ちょうど「瀬戸内国際芸術祭」が開催される年に広島へ転勤となりました。開催地は広島から行くには程よい距離で、これはチャンスだと考え今度は万難を排し出かけることにました。

ご存知の方も多いと思いますが、香川・岡山の両県にまたがる瀬戸内の島嶼部での開催。普段は訪れることもない島巡りも楽しいですし、また新潟とは違う風景や環境の中、瀬戸内のまったりとした風情がとても心地よく感じられました。訪れる観光客の多さに多少閉口しながらも、観光客賑わう島々や町並みは活き活きとしているように感じます。

新潟に負けず劣らず、在住の住民の方々を含め、もてなしの心を感じるとともに、自然環境とアートの関係性も素晴らしく素敵な芸術祭となっていました。住民の方々も多くの観光客に驚きながらも十分に楽しんでいるように感じました。

【瀬戸内国際芸術祭】

 

    島のあちこちに点在するアート          瀬戸内の海と田圃と美術館

2つの芸術祭を通して感じたことは、

・  残された日本の風景や環境に浸る心地よさ

・  まったりとした日常と共にあるアートの新鮮さと意外性

・  トレジャーハンティングなゲーム性

・  健康によさそうな感覚

・  トリエンナーレ(3年ごとの開催)という時間間隔が、旅行したい気分にフィット(私の場合ですが)

などでしょうか。

いずれにしても主催者やキュレーターのプロモート能力と慧眼に感服するのみです。

実際の醍醐味は、きっと一緒に参加して芸術祭を盛り上げるところ(文化祭的なノリ)にあるのだと思いますが、ただ見て回るだけでも日常の憂さを晴らすにはもってこいの場所に違いありません。歩き回りながら季節を感じ、作品に触れ、美味しいものを食べる。なかなかの楽しさです。

今年は再び「瀬戸内国際芸術祭」が開催される年です。パンフレットによると、何と今回は時期を3回に分けて開催されます。春・夏・秋の季節感も感じてほしいという理由からだそうです。会場となる島も増えています。

残念ながら昨年の「大地の芸術祭」は訪れることを失念してしまいましたので、「芸術祭」フリークになりかけている私としましては是非それぞれの季節ごとに訪れたいと思っています。一方でサイフの中身を眺めながらトホホとなっている次第です。主催者の思う壺ですね。

皆様も興味が湧きましたら写真には到底納まらない雰囲気を是非とも堪能してください。きっとはまりますよ。